電子シャッター全盛期来たる
Nikon Z9やCanon EOS R3など、最近のミラーレスカメラでは電子シャッターがデフォルトになりつつあります。
物理的なシャッター幕を使用せず電気的な読み出しのみで像を保存するので、シャッター幕の物理的な振動や音を抜きに撮影できるようになります。
物理的なシャッター幕を使用しないことのメリットは振動や音だけではなく、シャッター耐久性などの故障のリスクを気にせずに撮影ができる上、シャッター幕の物理的な摩耗によるダストの発生もなくなります。
いいことだらけのように見える電子シャッターですが、デメリットとしてはローリングシャッターが挙げられます。細かい原理などはよそのサイトを参考にしてもらい、ここでは「高速で動くものが歪んで写る現象」とだけ述べておきます。本来まっすぐな電柱やゴルフクラブが曲がってしまうなんてこともあります。
ローリングシャッターの歪み確認
シャッターユニットの耐久を気にせず撮影できたら故障のリスクも回避できていいのですが、電子シャッターでどれくらい被写体が曲がるかは確認しておきたいと思いました。
そこで簡単な実験を行いました。
手持ちの機材のEOS R5とEOS Rでどれくらい被写体が歪むのか
そして、その歪みがどれくらい許容できるのかを実験してみました。
実験の方法は簡単で「カメラの目の前で割り箸を左右に振りながら連写する」方法で確認をしています。また、この時のカメラの設定はISO 6400, SS 1/2000, f1.8となっています。
ローリングシャッターの歪みの確認
実際に撮影した結果がこれ
EOS R
・・・まっすぐのはずの割り箸がゴムのようにしなっていますね。
次にEOS R5の結果がこれ
EOS Rと比べると歪みはかなり少ないものの、本来まっすぐな割り箸が曲がって写っています。
参考までに、EOS R5でメカシャッターで撮影した場合はこのようになります。
歪みはほぼみられませんね。
個人的な見解
動き物を撮影するような場合は迷わずメカシャッター。
それ以外のケースは場合によっては電子シャッターもあり。
EOS R5の電子シャッターはいくつか制約があり、
- シャッタースピードが0.5秒より遅くできないので、水の流れを滑らかに撮れない。
- 条件によっては連続撮影速度が低下する
- 動きの速い被写体を撮影すると歪む
- 撮影環境によっては縞が記録荒れる
- ストロボ撮影できない
など、わかっていれば回避できるけど知らないと困るような現象もいくつかあるので注意が必要になってきます。
ちなみにEOS R3ではローリングシャッターはかなり改善されているようですが、取扱説明書を見る限りではR5と同様の制限事項もあるようです。(程度の差はあるかと思いますが)